おいしくいただくならこの水!食事、飲み物での上手な『水』活用術

Close-up of sparkling water being poured from a bottle into a glass with bubbles visible.

「万物の根源は水である」とは哲学者タレスの言葉ですが、我々の生きる糧となる飲食物もまた、水にこだわることで、豊かな味わいがもたらされます。

【ごはん】軟水を使えばふっくら炊き上がり

ごはんを炊く水はまるやかな「軟水」が合います。米がもっとも良く水分を吸収するのは水に浸った瞬間なので、はじめのとぎ水にも軟水を使うとふっくらもちもちに炊き上がります。ちよっと贅沢ですが、試してみる価値ありです。

【和風だし】関東関西で適した水は異なる

和風だしの基本は日本の水に多い「軟水」ですが、関東と関西では適した硬度が微妙に異なります。関東のかつおだしは「軟水~中硬水」がうま味を引き出しやすく、関西の昆布だしには「ミネラルが少なめの軟水」が向きます。

【洋食】中硬水でパラっとしたごはんに

パスタやピザなど洋食の味つけには「硬水」が合います。パエリアには、米の繊維をかたくして、粘り気のないパラっとしたごはんに仕上がる「中硬水」がおすすめ。同じ理由で、チャー八ン用のごはんにも中硬水が合います。

【野菜】根菜をじっくり煮込むときは中硬水

野菜を煮るときに「軟水」を使うと水分の浸透が良くなり、野菜がやわらかくなります。味もよくしみ込むので、野菜スープなどは軟水でつくりましょう。根菜をじっくり煮込むときは「中硬水」を使うと煮くずれしにくくなります。

【肉料理】硬水が肉をやわらかく仕上げる

肉料理には「硬水」が合います。加熱すると出る肉をかたくする成分が硬水のカルシウムと結合し、アクとなって流出します。和風の鶏鍋やしやぶしゃぶにも硬水を使いましょう。肉がやわらかくなり、スープにうま味が凝縮されます。

料理と相性のいい水

料理おすすめの水
ごはん軟水(硬度50mg/リットル程度)
かつおだし軟水~中硬水
昆布だしミネラルが少なめの軟水
しゃぶしゃぶ硬水(硬度300mg/リットル程度)
料理おすすめの水
パスタ・ピザ硬水(硬度300mg/リットル程度)
ビーフシチュー硬水(硬度300mg/リットル程度)
野菜スープ軟水(硬度50mg/リットル程度)
根菜の煮込み中硬水(硬度100mg/リットル程度)

【飲み物】コーヒーは好みによって水を変える

お茶やコーヒーをいれるときは適した水を使いましょう。

日本茶は硬度が高くなると独特のうま味が抽出されにくくなるので、硬度50mg/リットルくらいの「軟水」がおすすめです。

茶葉を発酵させて香りを楽しむ紅茶や中国茶は「軟水~中硬水」が合っています。

渋みの強いアッサム茶やウバ茶は「中硬水~硬水」でいれると渋みが抑えられてまろやかになります。

コーヒーは水によって風味を調整できます。酸味を引き立てるなら「カルシウムが少なめの中硬水」、苦みを抑えるなら「カルシウムの多い硬水」、苦みを強調するなら「マグネシウムの多い硬水」を選びましょう。

また、焙煎の浅い豆が好みなら「中硬水」、焙煎の深い豆が好きなら「マグネシウムが多めの硬水」が合います。

飲み物と相性のいい水

飲み物おすすめの水
日本茶軟水(硬度50mg/リットル程度)
アッサム茶軟水~中硬水
ダージリン茶ミネラルが少なめの軟水
中国茶硬水(硬度300mg/リットル程度)
飲み物おすすめの水
コーヒー(酸味を好む場合)カルシウムが少なめの中硬水(硬度100mg/リットル以上)
コーヒー(苦みを強くしたい場合)マグネシウムの多い硬水(硬度300mg/リットル程度)
コーヒー(焙煎の浅い豆)中硬水(硬度100mg/リットル程度)
コーヒー(焙煎の深い豆)マグネシウムの多い硬水(硬度300mg/リットル程度)